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vol. 17『システム開発の見積もりを取る前に、AIでRFPを作るという選択』
前回は、AI時代になっても、本格的なシステム開発を発注者だけで進めるのは難しい、という話をしました。
では、AIはシステム開発では役に立たないのでしょうか。
もちろん、そんなことはありません。
むしろ最近、かなり現実的に使えるようになってきた分野があります。
それが、開発会社に相談する前の「RFP作成」です。
目次
RFPとは何か
RFPという言葉は、あまり聞き慣れないかもしれません。
RFPとは「Request for Proposal」の略で、日本語では「提案依頼書」と呼ばれます。
簡単に言えば、システム開発を依頼したり、複数の開発会社から見積を取ったりするときに、自社の希望や課題、前提条件を整理して伝えるための資料です。
ここでよくある誤解があります。
最初の商談で、
「まだ要件定義が全然まとまっていなくて、すみません」
とおっしゃるお客様がいます。
しかし、これは謝る必要はありません。
要件定義は、本来、私たちのようなプロがヒアリングしながら一緒に作っていくものです。
RFPは要件定義ではありません。
RFPは、あくまで相談の入口です。
「何に困っているのか」「何を実現したいのか」「どのくらいの規模感で考えているのか」を、開発会社に伝わる形に整理するためのものです。
なぜRFP作成は難しいのか
これまでも、RFPという言葉を知らなくても、相見積もりを取る際に何らかの資料を作っていた会社は多いと思います。
ただ、実際にはその資料が、開発会社から見るとかなり分かりにくいことも少なくありませんでした。
たとえば、次のようなものが全部同じ重さで並んでいるのです。
・絶対に必要な機能
・できれば欲しい機能
・将来的にはやりたい構想
・現場から出た単なる希望
・何となく便利そうだから入れたもの
こうなると、開発側は迷います。
「これは今回、本当に作りたいものなのか」
「できたらいいな、というレベルなのか」
「将来構想として書いているだけなのか」
その区別がつかないのです。
しかし、これは発注する側が悪いという話ではありません。
システム開発を日常的に発注している会社でなければ、どんな機能がどれくらい大変なのか、どのくらい費用がかかるのか、なかなか分からないからです。
発注する側から見ると、どれも同じ「機能」に見えます。
しかし開発する側から見ると、すぐ作れるものもあれば、業務設計から見直す必要があるもの、外部サービスとの連携が必要なもの、セキュリティやサーバー構成まで絡むものもあります。
ですから、ざっくり要求をまとめるだけでも、本当はかなり難しいのです。
AIでRFPを作るという新しい選択肢
私はこれまで、メルマガやブログで、こうしたRFP作成の段階で、個人のシステムコンサルタントや、RFP作成だけを依頼できる開発会社に相談してみてはどうか、とお話ししてきました。
いきなり開発会社に見積を依頼する前に、一度、要求を整理したほうがよいからです。
ただ、AI時代になって、ここは少し変わってきました。
今なら、AIと会話しながら、かなり現実的なRFPのたたき台を作ることができます。
たとえばAIに、自社の業務内容を説明します。
今困っていることを話します。
欲しい機能を思いつくままに出します。
そのうえで、
「これは必須機能と希望機能に分けてください」
「今回の開発範囲と将来構想を分けてください」
「開発会社に見積を依頼するうえで、不足している情報を教えてください」
「予算が限られている場合、優先順位をつけてください」
と聞いていけばよいのです。
AIが要件定義を完成させてくれるわけではありません。
しかし、開発会社に相談できるレベルのRFPを作るところまでは、かなり使えるようになりました。
AIで作ったRFPを見せるときのポイント
ここで一つ、実務的なアドバイスがあります。
AIで作ったRFPは、かなり整ったものになると思います。
そのRFPを開発会社に見せるときは、ぜひ正直に、
「これはAIと相談しながら作ったものです」
と伝えてください。
なぜなら、あまりに整ったRFPが出てくると、開発会社側が警戒することがあるからです。
「この会社の中に、かなりシステムに詳しい人がいるのではないか」
「細かいことをいろいろ言われるのではないか」
「後から厳しく突っ込まれるのではないか」
そう思われると、見積金額が高めになったり、必要以上に重たいセキュリティ対策やサーバー構成を提案されたりすることがあります。
もちろん、きちんとした提案ならよいのです。
しかし、本来もっとシンプルでよいはずのものが、相手の警戒感によって重くなるのは避けたいところです。
「AIで整理しました」と伝えれば、開発会社側も、
「ああ、社内に専門家がいるというより、AIを使って事前に整理したのだな」
と受け止めやすくなります。
AIは見積や提案書の比較にも使える
一方で、発注側を軽く見て、いい加減な提案を出してくる会社がないとも限りません。
その場合も、AIを使えばよいのです。
集まった提案書や見積書をAIに見せて、
・各社の提案の違いは何か
・不自然に高い項目はないか
・抜けている前提条件はないか
・過剰な提案になっていないか
・安すぎて危ない見積ではないか
と確認すれば、以前よりかなり冷静に比較できるはずです。
AIは「プロに相談しやすくする道具」
AIは、発注者をシステム開発のプロにする道具ではありません。
しかし、プロに相談しやすくする道具にはなります。
前回お話しした通り、AIだけで本格的なシステム開発を進めるのは、まだ簡単ではありません。
しかし、開発会社に相談する前の頭の整理、RFPの作成、提案や見積の比較には、かなり実用的に使えるようになっています。
プラムザでは、システム開発そのものだけでなく、こうした開発前の整理や、開発会社とのやり取りの進め方についてもご相談いただけます。
AIで作ったRFPを見ながら、どこまでを今回の開発範囲にするか、何を後回しにするか、見積のどこを確認すべきかを一緒に整理することもできます。
最初から完璧な資料を用意する必要はありません。
まずは、AIを使って相談の入口を整える。
そのうえで、必要に応じてプロに相談する。
これからのシステム開発の発注は、そのくらいの進め方が現実的だと思います。
株式会社プラムザは、開発実績25年・取引企業数300社のシステム開発会社です。さまざまな業種・業界で使用されるオリジナルのシステム構築を得意としています。
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