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vol. 19『そのExcel、システム化しないほうがいいかもしれません』

vol. 19『そのExcel、システム化しないほうがいいかもしれません』

「社内にExcelが散在していて、そろそろシステム化したい」

こういうご相談は、実際によくあります。

経営者の方が心配しているのは、Excelそのものというより、その裏側にある「属人化」であることが多いです。

部署ごとに独自の管理表がある。
担当者ごとにやり方が違う。
そのExcelが何のために使われているのか、他部署からは分からない。

結果として、会社全体の業務が見えづらくなり、部分最適化していきます。

では、Excelを全部なくしてシステム化すればいいのでしょうか。

私は、必ずしもそうではないと思っています。

Excelのままでいい業務もある

Excelの強みは、何といっても自由度です。

・利用する人数が少ない
・処理件数がそれほど多くない
・業務内容が頻繁に変わる
・自由な集計や加工が重要

こうした業務なら、Excelのほうが便利なこともあります。

項目を少し増やす、計算式を変える、並び替える、といったことが現場ですぐできます。

これをシステム化すると、少し変更したいだけでも開発が必要になり、かえって使いにくくなることがあります。

システム化したほうがいい業務

一方で、次のような業務はシステム化を考えたほうがよいでしょう。

・複数部署で同じデータを使う
・転記作業が多い
・入力ミスを防ぎたい
・承認や権限管理が必要
・誰がいつ変更したのか履歴を残したい

人数や業務量が増えると、Excelの「自由さ」が逆に弱点になります。

・ファイルがコピーされて最新版が分からない。
・人によって入力方法が違う。
・知らないうちに数式が書き換わっている。

こうなると、Excelで便利に仕事をしているというより、「Excelで何とか持ちこたえている」状態です。

Excelかシステムか、の二択ではない

実際のシステム構築では、「Excelを全部なくす」という設計ばかりではありません。

基幹業務システムからExcelにデータを出力し、現場で自由に使っていただくこともよくあります。

たとえば、

「数字を詳しく分析したい」
「会議用に並び替えたい」
「一時的な集計をしたい」
「検品表や作業リストなど、チェックシートとして使いたい」

といった用途です。

こうした作業まで無理にシステム画面の中に閉じ込める必要はありません。

システム側では、会社として正しく管理すべきデータを持つ。
現場での加工や分析はExcelに任せる。

この役割分担は、かなり合理的です。

逆に、Excelで入力した結果をシステムに戻すこともあります。

その場合は、列の位置や入力形式を決めるなど、ある程度の制限が必要です。

「見るためのExcel」は自由に。
「システムに戻すExcel」はルールを決める。

そんな使い分けもできます。

目的は「Excelをなくすこと」ではない

システム化を考えるときに大切なのは、

「Excelを使っているからシステム化する」

と考えないことです。

本当に解決したいのは何でしょうか。

データがバラバラなのか。

転記が多いのか。
業務が属人化しているのか。
部署ごとにルールが違うのか。

会社として統一すべき部分はシステムで管理し、現場に自由度を残したほうがいい部分はExcelに任せる。

Excelを残すことも、立派なシステム設計のひとつです。

システム化の目的は、Excelをゼロにすることではありません。

会社全体の業務を見えるようにし、無理なく回る仕組みをつくることです。

プラムザでは、こうした「どこまでシステム化するべきか」という段階から、お客様と一緒に整理しています。

これまでのシステム開発やITコンサルティングの経験をもとに、最初から大きなシステムを作るのではなく、Excelを残すところ、仕組み化するところを切り分け、小さく始める方法も含めて考えます。

「こんな状態で相談していいのかな」という段階でも構いません。

システムを作る前の整理から、一緒に考えることができます。

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