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vol. 15『政府から『来月から消費税を〇%にしてください』と言われても困らないシステムの作り方』

vol. 15『政府から『来月から消費税を〇%にしてください』と言われても困らないシステムの作り方』

最近の消費税減税の議論で、「システム改修に1年かかる」という話をよく見かけます。

政府が大手企業にヒアリングした結果、そういう回答が出てきた、という文脈です。

正直に言うと、少し違和感があります。

「そんなにかかるのか?」というのもありますが、高市総理は「あまりやりたくないのでは?」という空気も感じます。

ただし、ここでは減税の是非は置いておきます。

本質的な問題はそこではありません。

そもそも、税率変更に1年かかるようなシステムの作り方が問題なのではないか。

これが今回のテーマです。

本来、消費税は“設定”で変わるべきもの

消費税率は、本来「プログラムの中に書くもの」ではありません。

「10%」という数字をコードに直接書いてしまうと、変更のたびに改修が発生しますし、直し漏れも起こりえます。

これは設計としては避けるべきパターンです。

基本はシンプルで、

・税率はテーブル(設定)で持つ
・適用開始日・終了日を持たせる

こうしておけば、

「来月から0%にしてください」

と言われても、設定を1件追加するだけで済みます。

切替当日にエンジニアが張り付く必要もありません。

なぜ現実は大変になるのか

それでも「1年かかる」と言われるのはなぜか。

よくある理由はこうです。

・税率がコードに埋め込まれている
・税率変更を想定していない設計
・外部システムとの連携が多い
・請求書や会計との整合が必要
・テスト範囲が広すぎる
・誰も全体像を把握していない

つまり、税率変更そのものが難しいのではなく、
影響範囲が見えないことが怖いのです。

意外と厄介なポイント:税込価格

ここで少し現場っぽい話です。

消費税の計算は設定化できても、商品価格が「税込」で持たれている場合があります。

たとえば、

味噌ラーメン 900円

これを税抜にすると、900 ÷ 1.1 で割り切れません。

本来は税抜価格を持つのが王道ですが、

・券売機でキリのいい価格にしたい(そもそも10円以下のお釣りが出ない)
・メニュー表をきれいに見せたい
・会計の時間を短縮したい

といった理由で、税込価格をそのまま持っているケースは珍しくありません。

この場合、おそらくシステムに設定されている税率は0%にしてあるはずで、

商品価格そのものをどうするかという問題が発生します。

それでも「1年」はかからない

ただし、こうしたケースでも通常は1年もかかりません。

やることは整理するとシンプルです。

・対象商品の抽出
・新価格の計算
・例外の確認
・切替タイミングでの一括更新
・結果確認

たとえば、切替日時に合わせてバッチ処理を実行すれば、自動で対応できます。

多少は費用がかかりますが、数十万円という話ではありません。

集計も「説明できること」が大事

消費税の集計についても、切替月は多少ややこしくなります。

ただ、制度変更直後は税務側も一定の混乱を想定しています。

重要なのは、

・いつの取引か
・どの税率を適用したか

が後から追えることです。

消費税の変更は滅多にあることではないので、リアルタイムで完璧に処理することより、
履歴が正しく残っていることの方が重要になります。

結局のところ

消費税に強いシステムというのは、特別なものではありません。

・変わるものをコードに書かない
・期間を持って管理する
・切替処理を自動化する
・例外を事前に見えるようにする

この基本ができているかどうかです。

プラムザでは、こうした“変更に弱い構造”を整理するお手伝いをしています。

大規模な作り直しでなくても、
「どこが危ないか」を見えるようにするだけで、将来の負担は大きく変わります。

現場に無理をさせない設計に、少しずつ寄せていく。

そのあたりを一緒に考えていくのが、私たちの役割です。

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