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開発の作業工程は大きく分けて8つ。発注者側にとって特に重要なのは?|第五回「システム開発の工程ってどんなの?」

開発の作業工程は大きく分けて8つ。発注者側にとって特に重要なのは?|第五回「システム開発の工程ってどんなの?」

「システム開発ってどういう風に工程が進むの?」と思っている方は必見! 今回は、システム開発の工程についてお話します。簡単に説明すると、大きく分けて8つに分かれており、中でも発注者側にとって特に重要なのは「要件定義」「基本設計」「テスト」の工程なんだとか。その理由も含めて、詳しくチェックしていきましょう!

開発の作業工程は大きく分けて8つ。発注者側にとって特に重要なのは?|第五回「システム開発の工程ってどんなの?」


8つに分けられるシステム開発の工程


——今回は「システム開発の工程」についてお話いただければと思います。

まず、お客さまの中には「システム開発の工程については詳しく知る必要がないのでは?」と思われる方もいらっしゃいますが、商談の途中で説明もなしに「工程」や「工数」などの専門用語をいきなり使ってくる開発会社もいますので、今回の記事を通して知っていただければと思います。

——システム開発をスムーズに進めるためにも、発注側もしっかりと理解しなければならないと。

はい。基本的に、システム開発はお客さまの意見を反映させながら開発を進めていきます。

工程・工数・工期・工区などいろいろな言葉を使うので、初めての人にとっては理解しにくいかもしれませんが、中でも「開発の作業段階」を意味する工程は作業のブロックになるので大切です。

特に、開発が始まった後は、今どういう状況で進んでいるのか、どの工程にいるのかわからなくなるので注意する必要があります。

——では、その「開発の作業工程」がどのような流れで進むのか、教えてください。

大きく分けると以下のような流れになります。

ヒアリング

要件定義

基本設計


詳細設計

実装

テスト

リリース

保守


まず「ヒアリング」の工程では、お客さまのほうから作りたいシステムのご要望をお聞きします。

そして、開発会社のほうから、要件をまとめて提案します。基本的に、開発会社はお客さまの要望通りに作るのではなく、より使い勝手がよく無駄のないシステムにするために、プロの立場でいろいろとアドバイスや提案をします。それをまとめたものが「要件定義」です。

具体的な流れを説明すると、「お客さまから要望を聞く」→「開発会社のほうで実装しなければならないことを確定させる」→「今回のシステム開発で実現する内容をお客さまに提案する」という流れです。

また、工程とは呼ばないので流れの中には入っていませんが、ヒアリングと要件定義の間で「概算見積り」を出します。要件定義と基本設計の間には大事な「正式見積り」と「本契約」があります。要件定義と基本設計の間には大事な「本契約」があります。

< ヒアリングから本契約までの流れ >

ヒアリング

概算見積り

仮契約

要件定義

正式見積り

本契約


要件定義でしっかりとシステム開発の内容を決定し、それと同時に見積書を作成し、要件定義書と一緒に納得いただけたら本契約になる流れです。

——本契約後の「基本設計」は、特に重要だそうですね。

はい。システム開発の設計は、「基本設計」と「詳細設計」の2つに分かれていますが、基本設計はお客さまが目にする見た目やデザイン、画面など使用感に関係するものです。

たとえば、顧客管理の場合は住所1、住所2に分割したり、電話番号も固定電話と携帯電話の2つ入力できるようにしたりするなど、そういうものを画面を使って決めていくのが基本設計になります。

基本設計は結構がっつりと固めるのが重要です。ここで開発会社とお客さまとの意思疎通をしっかりと行っておかないと、後で“やっぱりこれを追加してほしい”と言われることになり、余計に手間やコストがかかってしまいます。

——「詳細設計」はどのようなものなのでしょうか。

詳細設計は、いわゆる“指示書”のようなものです。発注側からすると見えない部分ですので、お客さまはほぼ知る必要はありません。

——続く、「実装」では基本設計・詳細設計を実際に作るということでしょうか。

そうですね。基本設計で作った画面の設計書と、詳細設計の内部プログラムをしやすくする設計書の両方を併せてエンジニアが作る工程となります。そして、プログラミングを終えたらテストへと進む流れです。

開発会社によって違いますが、当社の場合はお客さまにもテスト(※)してもらって「ここはこうしたほうが良い」と意見をいただきます。そして、そこからまた実装→テストを繰り返して修正し仕上げていく感じです。

(※お客さまが行うテストは「受入テスト」、開発側で行うテストは「システムテスト」と呼ばれる)

——そして「リリース」され「保守」を行うと。

基本的に、私たちが作っている業務システムは「保守」なしだと回らないと思います。いろいろと使っていくうちにもっとこうしたいという部分が出てきますし、障害対応なども必要です。それについて対応していかなければならないので、「保守」は大事です。


要件定義、基本設計、テストが重要


——「システム開発の作業工程」の中で、発注側が特に気をつけてチェックすべきところはどこでしょう?

1番大事なのは「要件定義」と「基本設計」の工程です。

この2つはお客さまのほうで、かなり時間を取って打ち合わせをやっていただく必要があります。お客さまも年末年始や月初・月末などの繁忙期がありますので、開発会社から提示される工程表と照らし合わせながら、無理のないスケジュールかどうかを確認していただきたいです。

あと、「テスト」も結構重要な工程となります。初めの要件定義や基本設計のほうは時間を取っていただけますが、開発が進んでくるとお客さまも“だいたい出来てきた”と安心してしまい、テストでしっかりと管理項目が足りているかなどを確認していないことがあるんです。

実際に、業務システムを使って業務が回るかどうか、厳しい目でテストをしてもらわないと本番運用後に直すのがとても大変。プログラムが間違っていると、業務上正しくないデータがどんどん出てきてしまい、それを直すのは非常に手間がかかります。

そのようなことにならないためにも、テストにはしっかりとお付き合いいただきたいです。

——少しでも不安要素があったり、疑問を抱いたりした際はすぐに伝えることが大事なのですね。

はい。システム開発は工程の終わりになればなるほど、修正が難しくなってきます。実装の工程で何度もシステムを見ていただきますが、その段階で気がついたところがあれば早めに言っていただきたいです。

早めに言っていただければ簡単に終わりますが、その問題を解消せずにどんどん次の工程へ進んでしまうと、その分手戻って直す範囲が大きくなってしまいます。なので、早く言っていただければ開発側にとっても大変ありがたいです。


余裕のある工程表、工程線表に


——また、見積りの際に開発会社から提示される「工程表」と「工程線表」も要チェックポイントだそうで。

この「工程表」と「工程線表」もチェックしておきたいポイントです。どちらも同じものになりますが、カレンダーに“この工程はここからここまで”と線で表すのが工程線表で、“線表(せんぴょう)”とも呼ばれています。

この2つは見積りのときに開発会社から提示されるので、お客さまもしっかりと確認していただきたいところです。

たとえば、建築だと設計の段階ではいろいろと要望を伝えることはできますが、建築が始まってからは「もう少しトイレを移動してほしい」など、気になるところがあっても普通は言えませんよね。

けれども、システム開発では言えるので、開発側としても頻繁にお客さまに確認してもらい、気になるところがあればどんどん発言していただきたいです。

——他にも、開発会社視点として、お客さまにここは気をつけてほしいという部分はありますか?

システム開発の期間は長すぎても短すぎてもいけないので、無理をしていないか確認していただいたほうがいいと思います。

ギチギチに詰まっている工程表を作られると、確認できる時間がなかったり見逃したりする可能性があるからです。

開発会社の中には、お客さまの都合を無視してできる限り早くシステム開発を終わらせようとするところもあるので、ある程度余裕を持って工程表を作ってくれているかどうかは見たほうがいいと思います。


まとめ


第五回「システム開発の工程ってどんなの?」をテーマにお話してきましたが、いかがでしたでしょうか。

大きく分けると、ヒアリング→要件定義→基本設計→詳細設計→実装→テスト→リリース→保守の8つに分けてシステム開発が進んでいきます。どの工程も大切ですが、中でも重要なのは、要件定義・基本設計・テストです。また、

  • 基本設計はがっつり固める
  • 気になること、不明点や疑問点があればすぐに伝える
  • 余裕を持った工程表、工程線表か確認する

  • 以上の3点も大事なポイントとなります。すべてを開発会社に任せるのではなく、今どのような工程を踏んでいるのか、逐一確認することが重要です。

    さて、次回は本記事にも出てきた要件定義に関する「システム開発の要件定義書って何?」をテーマにお話を伺います。仕様書と呼ばれる資料の中でも、最も重要になるという要件定義書。一体どのような内容が書かれているものなのか、ぜひチェックしてくださいね。

    この記事の監修者

    島田 徹

    株式会社プラムザ 代表取締役

    一橋大学 経済学部卒 / システムコンサルタント
    1998年 に 28歳 で起業 / 現役のシステムエンジニア / ものづくりの第一線で活躍中
    業務システムの開発実績は 200件 以上

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