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在庫管理システムを構築する際に気を付けなければならないこと(その5)

在庫管理システムを構築する際に気を付けなければならないこと(その5)

在庫回転率のいい商品が大事な商品とは限らない

「在庫管理システムを構築する際に気を付けなければならないこと」について
ChatGPT-4  と会話形式で、業務システム開発実績200件以上という弊社代表の島田がこれから数回に分けてお話をしています。

えーと、前回の予告では今回のテーマは「受入処理」のはずでしたが、前回発注管理の話をしていてちょっと思いついたことがあるので割り込みで

「在庫回転率」の話をしたいと思います。

「受入処理」を心待ちにしていたマニアックな方、大変恐れ入りますがもう一週お待ちください。

——在庫管理システムの6つの基本機能——
1.在庫数の管理:在庫アイテムの数量を管理し、検索・参照する機能。
2.標準在庫の管理:あるべき在庫レベルを設定し、過剰在庫や品切れを防ぐための機能。
3.発注管理:在庫が不足した際に発注を行い、発注量の計算や発注プロセスの管理を行う機能。
4.受入処理:新規で入庫されるアイテムの受け入れを行う機能。
5.出荷管理:アイテムの出荷業務と追跡の機能。
6.棚卸:実地の在庫数を調べ、理論上の在庫を修正する機能。

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在庫回転率とは

さて、在庫管理のシステムを組んでいると誰からともかく商品の詳細画面に「在庫回転率」を表示するような要件が出てきます。

私も20代の頃メーカーで部材の発注業務をやっていたので、「在庫回転率」の概念は知っていますが、常々あまり面白くない数字だなぁと思っていました。

これ、どういう意味で、どういうことに役立つのででしょうか?

ちょっとまたChatGPTに聞いてみましょう。

定義と計算方法

島田

島田

在庫管理システムで「在庫回転率」と言うと一般にどうやって計算しますか?その数値が示すものはなんでしょう?

GPT-4

GPT-4

在庫管理システムにおける「在庫回転率」は、一定期間内に企業がどれだけ効率的に在庫を販売し、補充しているかを示す指標です。在庫回転率を計算する一般的な方法は、特定の期間における売上原価を平均在庫額で割ることです。この計算式は以下のように表されます。

在庫回転率=売上原価/平均在庫額

ここで、

売上原価は、特定期間内に販売された商品の仕入れまたは製造にかかったコストです。
平均在庫額は、期間の始めと終わりの在庫額の平均を取ったもので、在庫がどれだけの価値を持っているかを示します。平均在庫額は、期間の初めと終わりの在庫額を足して2で割ることで計算できます。

平均在庫額=(期首の在庫額+期末の在庫額)/2

在庫回転率の数値が高いほど、在庫がより頻繁に売れていることを示し、在庫管理の効率性が高いと考えられます。逆に、数値が低い場合は、在庫がなかなか売れずに滞留している可能性があり、在庫コストの増加や資金の回転効率の低下を意味することがあります。

在庫回転率は、在庫の効率的な管理を評価し、改善策を検討する上で重要な指標となります。企業はこの指標を用いて、過剰在庫のリスクを減らし、在庫保持コストを最適化し、全体のビジネスパフォーマンスを向上させることができます。

なるほど。つまり、ある商品が期中に売れたときその売上原価を計算し、それを普段抱えている在庫の仕入額で割るということですね。

たとえば、ある商品が8月に100万円売れたとして、その売上原価(これには一般に仕入だけで無く、直接労働費、製造間接費などの間接費も含めるようです)が60万円とします。

その商品を普段抱えている在庫額(これは仕入額や受入・保管に掛かる間接費が含まれます)が平均50万円とすると、

60/50で在庫回転率は1.2となりますね。

しかし、これって私としてはどうもしっくりきません。

あまり売れてない商品で、同月の販売規模が1/10の場合、つまり売上が10万円、売上原価が6万円、平均在庫が5万円でも同じように在庫回転率は1.2になりますね。

そういう商品と前者のような商品では、「在庫回転率」を見てもどちらが会社業績に貢献するのか比較できません。

ちょっと確認してみましょう。

在庫回転率のみでの評価の問題点

島田

島田

在庫回転率は、要は「あまり在庫を抱えていないのに売上が立ち、その売上原価が低い」ことを現していますね?ただ「在庫を抱えておらず、売上も立たないのでその売上原価も低い」という商品と区別ができない気がします。

GPT-4

GPT-4

おっしゃる通り、在庫回転率は在庫を効率的に管理し、売上を上げている状態を示す指標ですが、それだけで全ての状況を正確に反映しているわけではありません。在庫回転率が高いことは、一般的には良い経営指標とされますが、売上が少なく、在庫も少ない場合にも回転率は数値上高くなり得ます。

この点を踏まえると、在庫回転率を評価する際には以下の点を考慮する必要があります:

1.売上高の考慮:
在庫回転率だけを見ても全体像は把握できないため、売上高も合わせて考慮する必要があります。売上高が高く、在庫回転率も高い場合は、効率的な在庫管理と高い需要を示しています。

2.業界や商品の特性:
異なる業界や商品には異なる在庫管理の基準があります。例えば、新鮮な食品を扱う小売業では在庫回転率が非常に高い一方で、高価な耐久財を扱う業界では回転率が低くても正常とされることがあります。

3.季節性やトレンドの影響:
季節性や流行り廃りが激しい商品を扱う場合、在庫回転率はその影響を受けやすく、一時的な数値の変動が見られることがあります。

したがって、在庫回転率を適切に評価するためには、これを単独で見るのではなく、売上高や利益率、業界の平均値との比較、季節性やトレンドの影響など、複数の指標や要因を総合的に考慮することが重要です。これにより、実際のビジネスパフォーマンスのより正確な評価が可能になります。

やはりそうですよね。

やはり在庫回転率はそれだけでは会社にとって嬉しい商品とは判断できず、売上高も大小も考慮しないといけないようです。

つまり適正な在庫数の管理を行う上では、売上が多く在庫回転率の高いものには特に注目して、確実に在庫切れを起さないようにしないといけないということですね。仕入から販売までが高速で回ってますので、在庫切れを起すと経営に与える影響が大きいです。

そういう花形商品が在庫切れになりそうな時にはダッシュボードにアラートを出すような仕組みが必要かも知れません。

次回の記事は受入処理についてお話します。ぜひお楽しみに。


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この記事の監修者

島田 徹

株式会社プラムザ 代表取締役

一橋大学 経済学部卒 / システムコンサルタント
1998年 に 28歳 で起業 / 現役のシステムエンジニア / ものづくりの第一線で活躍中
業務システムの開発実績は 200件 以上

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