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システム開発が学べるコラム
流行り物はよくよく考えて導入しよう!|第十回「メタバースって何?企業に必要?」
ネットや雑誌などでも取り上げられるようになった「メタバース」とは、インターネット上に構成される“仮想空間”のことです。アバターと呼ばれる自分の分身を作り、その世界に入り、さまざまなサービスを利用することができます。今注目されているからこそ、「取り入れたほうがいいのか?」と悩んでいる企業の方も多いはず。そこで今回は、システムコンサルタントの立場から「メタバース」の必要性についてお伺いしました。
目次
アーリーアダプターを相手にしているか
——単刀直入にお伺いします。「メタバース」は企業に必要なものでしょうか?
業務システムや一般的な企業のシステムにはほとんど関係ありません。ただし、アーリーアダプターを相手にしている企業は「メタバース」を取り入れたほうがいい場合もあります。
——アーリーアダプターとは?
マーケティングでよく使われている、消費者の行動を5つのタイプに分類した「イノベーター理論」のグループの1つです。
新しい商品やサービスがどのような流れで市場に普及されるのかを分析しており、受け入れが早いものから以下の5つに分かれます。
イノベーター(革新者)
アーリーアダプター(初期採用層)
アーリーマジョリティ(前期追随層)
レイトマジョリティ(後期追随層)
ラガート(遅滞層)
新しい商品やサービスにすぐに注目しては、すぐまた新しいものに飛びつくイノベーターは結構重要なポジション。ですが、実際に市場にはあまり存在していないと言われています。
イノベーターの反応が良ければ、アーリーアダプターが注目し、その次に出てくるのがアーリーマジョリティです。新しい商品やサービスの登場から時間が経過した時点で注目する人たちは、レイトマジョリティやラガートとなります。
アーリーアダプターのように、新しいものにどんどんチャレンジしていこうとする人たちをターゲットにしている企業であれば、「メタバース」に注目しても良いかもしれません。
——なるほど。たとえば、私が知っているアニメ業界だと、コラボ商品の宣伝にメタバースを取り入れていました。
アニメはもともと空間的な敷居がないので、コラボ商品を多くの人に宣伝したり、文化的にもマッチしたりしていると思います。
——「メタバース」と言っても、合う合わないがあるのですね。
そうですね。実は、2003年頃に元祖メタバースと呼ばれている「セカンドライフ」という3DCGで構成された仮想世界があったんです。
そこでショッピングしたりゲームしたりできると流行しましたが、すぐに廃れてしまいました……。
前回お話した「Web3.0」が使われているので技術的には進化していますが、一般的な企業には必要ないと私は思います。
導入はよくよく考えて
——「メタバース」があちこちで注目されているので、「取り入れたほうがいいのかも?」と思う方は多いのではないでしょうか。
こういう流行り物は、消費者が飛びつくのは別に何の痛手もないので構わないのですが、企業が飛びつくと人的・金銭的投資を強いられ、成果は出ず、社内は混乱し、いいことがありません。
業務システムのコンサルタントとしては「よくよく考えて」と進言します。
特に、ものを販売するECサイトでは「メタバース」を取り入れずとも、新しい商品やサービスをアピールする方法がいろいろと出てきています。
——そうなのですか!?
たとえば、Amazon Primeでは、「Try Before You Buy」という自宅で試着できるサービスが利用できます。送料無料で気に入った商品だけを購入できるサービスです。
また、ZOZOTOWNでは「ZOZOMART」という足のサイズや形を計測してくれて、購入者にぴったりの靴を検索できるサービスもあります。
ECサイトではこのようなサービスが進んでいるので、「メタバース」といった仮想空間でものを購入する必要はない気がします。
——すぐ新しいものに飛びつくのは、それなりのリスクがあるということですね。
確かに注目されていると「取り入れたほうが良いかも」と思いますが、メタバースを利用するためにチームを組んで実行したとしても、それだけお金がかかってしまいます。
そこで成果が出ないと社員のモチベーションも下がってしまうので、あまり流行り物に飛びつくのはどうかな?と私は思っています。
用途次第では活用できる
——では、「メタバース」に適しているのは、どのような市場なのでしょうか。
先ほど出てきたアニメ業界もそうですが、グローバル市場を相手にした見本市や遠隔地から広く募る採用活動のような分野ではそれなりのメリットがあるとは思います。
メタバースでは距離の障壁がないので、物理的な出店が難しい場合にマッチするでしょう。
——用途次第ということですね。
まさにその通りです。ECサイトの中には商品をマウスで360°回しながらチェックできたり、不動産業者の中にも3D動画で部屋を見渡せる機能を導入しているところがありますよね。
「メタバース」といった仮想空間に入るためには、専用ゴーグルといった機器が必要になるので、それらの手間を考えると、メタバースを利用せずとも他にできることはたくさんあるんじゃないかなと。
小売りや不動産業界で動画や3D画像で分かりやすく表現する、というのと、仮想空間で販売活動するというのは大きな違いがあると思います。
——流行り物に注目する際、企業が気をつけるべきことはありますか?
まずは、様子を見ることです。
アーリーアダプターを超えて、アーリーマジョリティやレイトマジョリティの参加率が増えてきているようであれば、考えても良いかもしれません。
ただ、その判断も難しいので注意したほうが良いでしょう。
まとめ
第十回「メタバースって何?企業に必要?」をテーマにお話してきましたが、いかがでしたでしょうか。
テレビや雑誌などでよく耳にする「メタバース」は、インターネット上で構成される仮想空間。そこでゲームをしたり、ビジネスとして利用したりすることもできますが、このような流行り物を導入する際は、以下のような項目に注意したほうが良いとわかりました。
- 用途・目的に合っているか
- アーリーマジョリティ、レイトマジョリティが参加しているか
「メタバース」の導入には金銭的負担もかかるからこそ、よくよく考えなければなりません。
株式会社プラムザは、開発実績25年・取引企業数300社のシステム開発会社です。さまざまな業種・業界で使用されるオリジナルのシステム構築を得意としています。
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